保守系論者・政治家の間で進む分裂と対立の構図について、小坪慎也氏と小名木善行が本音で語るライブ対談。ネット保守の問題点、炎上商法の裏側、そして本来の「保守」のあるべき姿を見つめ直す内容です。

◉ 保守の名のもとに起きる分裂と内ゲバ

番組は「ぐちゃぐちゃな保守」というテーマのもと、小坪慎也氏をゲストに迎えて始まりました。かつて保守メディアが支援していた政党や人物を、いまや激しく非難する事態は、深く懸念するところです。

保守層とされる人々が、ネット上で炎上を煽り合い、時には名誉毀損に発展しかねないような発言までが飛び交う現状。それは言論の自由というよりも、感情のぶつけ合いや商業的目的による“コンテンツ化された分裂”です。

特に、これまで左派と戦ってきた経験豊かな論者たちと、最近参入した保守系インフルエンサーとの対立構造に、小坪氏は「ネットの世界ではアクセス数で勝ったように見えるが、実は本当の意味での“戦闘力”はベテランが持っている」と分析しています。

◉ 炎上と金銭が結びつく「ビジネス保守」の問題点

ネット保守の一部には、再生回数や広告収益を目的とした“炎上ビジネス”が蔓延しています。動画や記事で誰かを攻撃すればするほど視聴数が上がる仕組みを悪用し、「悪口ビジネス」が横行していると小坪氏は語ります。

さらに問題なのは、そうした過激な発信が結果的に政治の現場を萎縮させてしまっている点です。たとえばエネルギー関連の問題や入札制度の見直しについて、事実関係を無視した過激な情報発信によって、議員たちが身動きできなくなる事態も生じています。

「感情的な発信は一時的には注目を集めるが、やがては支持を失い、自らが標的になる」と両氏は警鐘を鳴らし、「オリジナルの情報を地道に積み上げられる人間こそが、最終的に信頼を得る」と強調されました。

◉ 本当の保守とは何か:愛と責任の再確認

「保守とは本来、家族・地域・国を愛し、大切にすることに根差す姿勢である」というのが両氏の一致した見解です。単なる反左翼や政敵攻撃ではなく、愛するものを守るために、誠実に課題と向き合う姿勢こそが保守の本質であると再確認されました。

また、「政治や保守運動を、まるでスマホゲームのように捉え、敵を攻撃することで快感を得る風潮」には強い懸念が示されました。これは政治でも言論でもなく、ただのゲーム感覚であり、そのような行動は信頼を損ねるだけでなく、現実の政治判断にも悪影響を及ぼすと指摘されました。

今後の方向性としては、一度“ぐちゃぐちゃ”になった保守言論界をゼロベースで見直し、新しい枠組みの中で再出発するべきだという希望が語られました。小坪氏は、実際にこれまでの言論空間やネットとリアルの乖離を分析した膨大なレポートをまとめてきたことも紹介。それを元に、今後の保守再建の基礎が築かれていく可能性が示されました。

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