「日本人なのに日本を知らない」──そんな現実を前に、仁徳天皇の治政や白須国の精神を通して、日本の本質を見つめ直します。理想の国とは何か、そして日本人とは誰か。根本から問うメッセージです。

◉ 日本を知らない日本人──無国籍化する心の危機
私たち日本人の多くは、新年には神社に参拝し、クリスマスを祝い、大晦日には除夜の鐘を聞く──この多宗教的な慣習を「無宗教」としてしまう背景には、日本の文化と精神に対する理解の希薄さがあります。かつて平安時代には人口の3分の1が外国人という時代もありながら、日本文化は独自の花を咲かせました。それが可能だったのは、日本人一人ひとりが自国の文化に誇りと自覚を持っていたからです。

しかし現代の日本では、「今だけ・金だけ・自分だけ」が蔓延し、日本人が日本を語れず、誇れず、無国籍化している現実があります。その結果、政治も経済も倫理を失い、真に国民の幸福を目指す方向性を見失ってしまっています。

◉ 仁徳天皇に見る「シラス国」の精神と統治理念
仁徳天皇が、民の家から炊煙が上がらぬ様子を見て、6年間にわたって税を免除したという逸話は、日本の政治哲学を象徴するものです。国民は「大御宝(おほみたから)」であり、政治とは民を富ませるための手段である──この思想こそが「シラス国」の本質です。

古墳の起源についても、権力の誇示ではなく、田畑開発に伴う残土の活用としての民意の表現であるという説に触れ、日本という国が決して「支配の国」ではなく、「共に生きる国」であったことを伝えています。

◉ 歴史とは庶民の歩みであり、希望の継承である
歴史に登場する英雄たち──仁徳天皇、織田信長、明治天皇、栗林忠道中将など──は単独で偉業を成したのではなく、時代の庶民と共にあったからこそ意味を持ちました。日本の歴史は常に、庶民が未来のために努力し、苦しみながらも次代に希望を託してきた「生きた物語」です。

だからこそ、「誰が日本を作ったのか?」という問いに対する答えは明確です。作ってきたのは、他でもない「日本人」そのものなのです。

◉ 未来を築くために、今こそ理想を描こう
日本の政治が行き詰まり、社会に閉塞感が広がる今こそ、「どういう国を目指すのか」という理想像が必要です。その理想とは、誰もが安心して暮らせる国、家族を大切にし、郷土を愛し、文化を尊ぶ国──つまり、かつての日本が持っていた「話し合い」と「共生」の精神に根ざした国のかたちです。

西洋的なディベートではなく、話を合わせる「話し合い」の文化を持つ私たちが再び誇りを取り戻し、子や孫により良い未来を手渡すために、今できることを、それぞれの立場で見つけて行動していくことが求められています。

本動画では、書籍『日本をつくったのは誰か』のエッセンスも紹介しつつ、視聴者とともに「日本人としての自覚」を取り戻す一歩を踏み出すことを目指します。

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