ウシハク統治では、恐怖が支配のための有効な道具として利用してきた歴史があります。
スターリンや毛沢東、金正恩、第二次世界大戦中のアメリカの日本への無差別爆撃などがその例です。
恐怖による支配は短命です。対照的に愛や自発的な納得に基づくシラス統治は持続的、そして理想的です。
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この対談では、東郷潤先生より、恐怖を用いたウシハク支配のメカニズムと、それに対するシラス統治との違いについて掘り下げていただきました。
スターリン、毛沢東、北朝鮮の金正恩といったリーダーたちは、恐怖を用いて支配を確立してきました。スターリンの大粛清や、毛沢東の文化大革命では、多くの人々が恐怖によって支配され、反対する者たちが容赦なく粛清されています。これらの歴史的事件は、恐怖を利用して権力を強化し、自身の地位を維持しようとするリーダーたちの典型的な手法といえます。
実は、第二次世界大戦中のアメリカによる日本への無差別爆撃や、広島・長崎への原子爆弾投下も同じです。すでに戦況は決しているのに、かかる爆撃が行われたのは、日本人に恐怖を植え付けるという政治的目的であったといえます。なぜか。戦後の日本を従順にさせるため、戦後の支配構造をより有利にするための恐怖政治の一環であったということができます。ソ連によるシベリア抑留も同じです。
このような恐怖による統治のメカニズムは、他の独裁者たちの事例と共通しているものです。
一方で、恐怖に基づく支配は非常に短命です。恐怖には即効性があるものの、長期的には安定した支配を維持することが難しく、人々の反発を招きます。対照的にシラス統治は、自発的な納得や愛に基づく支配であり、時間がかかるものの、長期的には持続可能です。恐怖ではなく、理解や共感に基づいたシラス統治のほうが、より安定し、長続きするのです。
天皇は、新年の四方拝で「国民の災いを全て自分に与えよ」と祈り、自らが国民を守るための盾となる姿勢を示しています。これは、恐怖によってではなく、愛と共感によって国民を導くという、理想的な支配の形です。
シラス統治は、恐怖ではなく、納得と自発性に基づく統治です。そのために時間をかけて民の理解と協力を得る形をとります。これは、即効性がなくて不便に見えるかもしれませんが、最終的には最も安定した形となるのです。
実際に、日本の天皇制は長い歴史を持ち、シラス統治が他の多くの国々と比較しても長続きしていることが、その有効性を示す証拠と言えます。
聖書には、「神を恐れよ」という教えがあります。旧約聖書には、神に従わなければ罰が与えられるという教えが多く見られ、恐怖によって人々を導く構造が存在しています。
しかし、これを表面的に解釈することは誤りであり、聖書には実際には価値観の逆転があると指摘しています。特にキリストの十字架による贖い(あがない)がその典型であり、人間と神の間にあった敵対関係が和解されたという考え方が、恐怖ではなく、愛や和解による支配を示しているといえます。
結局のところ、神が人類に求めているのは、恐怖ではなく愛による統治です。それこそが長期的な平和と安定をもたらすのです。
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