この対談は、日本銀行の日常的な経理処理の仕組みと、それが日本経済に及ぼす影響を明らかにしつつ、世界の中央銀行との違いを比較する内容です。日銀が通貨発行を「負債」として処理している現状について議論し、この仕組みが日本経済の停滞や国民生活への影響を引き起こしていると指摘しています。おそらく本件に関する一般からの指摘は本邦初のことです。

日銀の経理処理の問題点

日本銀行は通貨を発行する際、その額を「負債」として計上します。例えば、1万円札を印刷すると、日銀はその1万円を「借金」と見なして帳簿に記録します。この仕組みでは、通貨発行に見合う国債を担保として持たなければならず、結果として国債残高が膨らみます。

他国では、通貨発行益を「収益」として計上するケースが一般的であり、この処理によって財政健全化が可能となる仕組みが整っています。しかし、日本、アメリカ、イギリスの3カ国ではこの処理が行われていないため、それぞれ特有の経済問題を抱えています。特に日本は、基軸通貨を持たないことや豊富な資源が活用されていない状況もあり、負債計上のデメリットが顕著です。

負債計上の影響と他国の状況

対談では、日銀の経理処理が「デフレ」や「経済停滞」を引き起こしている可能性が強調されました。日本のGDPに対する国債残高の比率は263%と非常に高く、世界の主要国の中でもワーストレベルです。一方で、ユーロ圏やカナダなどの国々は、通貨発行益を「収益」として計上し、その財政は比較的健全です。

アメリカとイギリスの場合は、基軸通貨や王室の金準備という背景があり、負債計上でも安定が保たれています。しかし、日本にはそうした裏付けがないため、日銀の経理処理は経済成長を妨げる要因となっています。

日銀経理処理の改善提案
対談の中で、日銀が収益計上を行うことで以下のような改善が可能になると議論されました:
1. 財政健全化:収益計上で国債依存を減らし、利払い負担を軽減。
2. 透明性の向上:通貨発行益を明確化することで、国民がその運用を議論できるようになる。
3. 経済活性化:収益計上によって得られる資金を、新しいインフラや技術開発プロジェクトに投資。

また、具体的な活用案として、500兆円に及ぶ未活用の資金を「建設国債」や「プロジェクト型投資」に利用するアイデアも提示されました。これには、再生可能エネルギー技術の開発や、海底資源の開発、AIや宇宙開発への投資などが含まれます。

歴史的背景と国際的な影響

日銀の経理処理が現状のようになった背景には、戦後のGHQ指導やハイパーインフレへの対応があります。ただし、戦後のハイパーインフレは、主に物資不足が原因であり、必ずしも日銀の直接引き受けが引き起こしたものではないと指摘されました。このため、戦後制定された経済ルールを見直し、日本独自の状況に合った新しい仕組みを構築する必要性が語られました。

また、アメリカを中心とした国際的な圧力が、日本の経済政策に影響を及ぼしている可能性についても触れられました。特に、基軸通貨のドルに依存するアメリカの経済システムが、日本の財政健全化を阻む一因である可能性があるとされています。

未来への展望
日銀の経理処理を見直すことで、経済の停滞を解消し、日本が持つ潜在的な資源や技術を活用できる可能性が広がります。この対談では、国家財政を健全化し、新しいプロジェクトへの投資で未来を切り開くべきだという提案がなされました。また、通貨発行益の透明性を高め、国民がその運用に参加できる仕組みを作ることの重要性も強調されました。

本対談は、日本の経済政策に関心を持つすべての人にとって、極めて示唆に富む内容となっています。

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