在留外国人への年金脱退一時金の支給は、出入国管理と在留管理を法務省出入国在留管理庁、年金制度を厚生労働省年金局、生活保護を同省社会援護局がそれぞれ縦割りで所管している隙間に生まれています。そして最終的には生活保護という地方自治体の法定受託事務に結実します。そこに自治体の裁量の余地はありません。つまり切実な問題です。
この問題は、戦後の混乱期に作った枝葉の制度が、相互矛盾したことによる結果です。日本経済がそうした矛盾を呑み込むことができた右肩上がりの時代に見過ごされていた問題が、いまや地方自治体を破産させかねない大問題になっています。