東郷潤先生と小名木善行が臓器売買の闇と日本の臓器移植問題を議論。違法取引の需要と供給や貧困層搾取の実態を明かしつつ、日本でのドナー不足を解決するオプトアウト方式やインセンティブ導入を提案。社会問題への真剣なアプローチが光る対談です。

臓器売買の闇とその実態

臓器売買は、闇マーケットで、心臓が1500万~3000万円、腎臓が300万~3000万円といった驚くべき価格で取引されています。
供給が極端に少ないために高騰しているのです。
提供者は貧困地域や難民など弱い立場の人々で、わずか15万~75万円で臓器を売るか、あるいは誘拐や殺害によって強制的に奪われるケースも多い。一方、需要側は先進国の富裕層で、命を救うためなら高額を払うことができる人たちです。
WHOによると、年間の臓器移植の5~10%が闇取引とされ、市場規模は1500億円以上とも推計されます。なにしろWHOの発表ですから、半値八掛五割引でこの数字です。
日本でも過去に移植ツアーが問題となり、2010年に禁止されました。けれど闇取引は完全にはなくならない現実があります。
このような状況は、需要と供給の経済原理が犯罪組織の資金源を生み出す構造を明らかにしています。
対談では、ウクライナ兵の臓器が奪われたという噂にも触れつつ、単なる都市伝説ではなく経済的な背景がこうした闇を生んでいることを指摘しています。

日本における臓器移植の現状と課題

日本での臓器移植の現状は深刻です。
2024年3月時点で、年間のドナー数はわずか数百人に対し、腎臓移植の待機者は1万5000人を超え、平均待ち時間は心臓や膵臓で3.5年待ちですが、その間に約半数が亡くなってしまう状況にあります。
子供の心臓移植に至っては年間数件しかできず、5億円をかけて米国での手術を余儀なくされるケースも多いのです。

こうしたドナー不足は、現行の「オプトイン方式」が原因の一つです。
これは、本人が生前に臓器提供の意思を明示しない限り提供されない仕組みで、運転免許証の裏に意思表示欄があるものの、記入する人は少数です。
さらに、家族の反対が40%と高く、本人が同意していても提供が実現しないケースが頻発します。
政治的にも、待機者と家族を合わせても数万人程度の声は選挙に影響を与えず、放置されがちな課題です。
対談では、この状況が民主主義の欠点として、少数の深刻な声が届きにくい現実を浮き彫りにしています。

解決策としてのオプトアウト方式とインセンティブ

解決策として、東郷先生は「オプトアウト方式」の導入を提案します。
これは、拒否の意思を示さない限り臓器提供者とみなす仕組みで、この方式により、スペインでは100万人当たり52.6人という高いドナー率を達成しています。
一方、日本のドナー率は0.8人と世界最低レベルです。
免許証の記載を「臓器提供を拒否する」に変更するだけで、提供者が数十倍に増える可能性があります。
さらに、家族の反対率を下げるため、治療費の自己負担をゼロにするなどのインセンティブを設ける案も提示されました。
医師が悲嘆に暮れる家族に「治療費が無料になります」と提案すれば、話しやすくなり、拒否率が10%以下に下がるかもしれません。
この財源は、腎透析の削減で浮く年間492億円や、21年で1兆円超の医療費節約で賄えます。
これにより、保険料軽減や国内での子供の心臓移植実現も見込めます。
対談では、日本人の思いやりを信じ、システム改善で世界最高のドナー率を目指せると強調しています。次回にはさらなる簡単な解決策も示唆され、希望の光が見える議論となりました。

まとめ

東郷先生のお話は、めちゃめちゃ勉強になりました。
要するに、需要がありながら供給が極端に少ないと、そこに暴力団やマフィアが入り込むのです。
臓器問題は、まさにそうした闇ビジネスの温床です。
考えてみれば、死んだ後は、火葬場で全部焼かれるのです。
だったら、困っている人に自分の身体の一部が役立つなら、それはそれで結構なことではないですか。嫌なら拒否ればよいだけのことです。
これを「オプトアウト方式」と言います。
日本が率先してこれを実現すれば、21年で1兆円の医療費の節約にもなる。
困っている人たちに安全と安心を提供できる。
こういうことを、しっかりと実践していくのが、国民共同体としての国の役割です。

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