トラウマは未処理の感情であり、「心の死」ではないと断言します。過去の凍りついた体験に勇気をもって向き合い、追体験することで、誰でも回復は可能です。生きる力を取り戻す方法を、丁寧に語り尽くします。
◉ 「心の死」という言葉の危険性
現代社会では、トラウマを「心の死」と表現する風潮があります。しかし、この表現は絶望を植え付ける非常に残酷な言葉であり、心の回復への道を閉ざしてしまいます。
トラウマを持つ人は、必死に立ち直ろうとしています。にもかかわらず「もう治らない」と言われることは、心にさらなるダメージを与える行為であり、絶対に許されるべきではありません。
◉ トラウマの本質は「未処理の感情」
トラウマとは、過去のつらい出来事を最後まで体験しきれず、感情が凍りついた状態を指します。
本来なら感じきるべきだった恐怖・悲しみ・怒りなどが未処理のまま心に残り続け、それがフラッシュバックやうつ、依存症といったさまざまな問題の原因となるのです。
重要なのは、トラウマは「心の病」ではなく、「凍った時間」であり、適切に向き合えば必ず癒えるものだということです。
◉ トラウマを乗り越える唯一の方法「追体験」
トラウマを克服するためには、「逃げる」のではなく「向かう」ことが必要です。
凍りついた感情にあえて直面し、当時体験できなかった感情を100%味わい尽くす──これが「追体験」です。
追体験は一時的に非常に苦しいものですが、5秒〜10秒の絶叫のような感情の爆発を乗り越えることで、驚くほど心が軽くなります。
逃げ続けると苦しみは何年、何十年、場合によっては生まれ変わっても続きますが、向き合えば、たった一度の追体験で解放されることが多いのです。
◉ 体験を通じて魂は成長する
人間は、体験を通じて心や魂を成長させる存在です。
つらい体験も、感情を100%味わい尽くすことで初めて自分の中に価値として根づき、二度と同じ過ちを繰り返さない力となります。
特に加害者側に回ってしまった経験でさえ、心からの後悔と謝罪によって、魂を大きく成長させるチャンスになります。
つまり、トラウマを乗り越えることは、単なる回復ではなく、魂の飛躍的な成長の機会なのです。
◉ 今すぐ立ち向かうべき理由
トラウマは、時間が経てば自然に消えるものではありません。
何年逃げても、何度転生しても、未体験の感情は「そこに」残り続けます。
だからこそ、できるだけ早く、勇気を出して向き合うことが大切です。
心を鍛えるための自律訓練法や覚悟の鍛錬を重ねながら、必ず自分自身で過去を乗り越える力を育てましょう。
立ち上がることができるのは、今、生きている私たちだけなのです。
