所得格差の問題に関し、現代日本の所得分布とその変化を取り上げました。
世帯年収や個人所得の「中央値」と「平均値」の差が示すものは何かを考え、また所得格差の原因として、
1 グローバル化
2 非正規雇用の増加
3 高齢化
4 技術の進化
5 教育格差
6 地域間の経済格差
の6つの要因が、歴史的な視点から、どのように評価されるべきかを考察しています。

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現代日本における「所得格差」の問題について、歴史的な視点を交えながら解説させていただきました。
日本における平均世帯年収は約560万円です。
ところが中央値は約450万円です。
これは、上位所得者の影響で平均値が上昇している現状を示しています。
一方でおよそ半数の世帯が年収で450万円以下という情況にあります。

では、なぜ所得格差が起きるのか。
理由として、上記の6つの要因を挙げ、特に都市部と地方での所得差の拡大を指摘しています。

過去の日本社会においては、所得が多いことが必ずしも社会的地位や尊敬に結びついていませんでした。
江戸時代の武士階級や商人、農民の関係性を引き合いに出し、かつての日本では「経済的に豊かであること」と「社会的地位の高さ」が逆転していたのです。

なぜかといえば、それは日本の伝統的な価値観では、物質的な豊かさよりも、人としての責任感や周囲との調和が重視されていたからです。
この視点は、現代社会において、もっとも見直されるべき価値観です。

昨今、中学生などが高額な娯楽や消費を当然とし、その結果、経済的な不平等が子供たちの間でも顕著になっていることにも触れさせていただきました。
家庭環境は、教育や将来の所得に大きな影響を及ぼします。
富裕層の子供たちがより良い教育を受け、さらなる富を築いていく一方で、貧困層の子供たちがその機会を得にくいという状況にある。
本来、富と頭の良さは、関係ないものです。

ではこれからの日本や世界がどうなるのか。
AI技術の発展によって今後15年で労働市場は大きく変化します。
全産業のうち、47%の業種があと15年で消滅する可能性があります。
こうした急激な時代の変化の中で、物質的な豊かさや所得の多さが個人の価値を決める時代は終わりを迎えていきます。
今後は日本の伝統的な「和の文化」や「結びの文化」が間違いなく再評価されていき、これからの社会の中心的な価値観として復活することになります。

これが「一厘の神仕組み」の正体です。

これから、日本の心を持った人々が未来の社会を支える重要な役割を果たすことになります。
日本の伝統的価値観を再び見つめ直すことが、未来を担うのです。