受験生の親が子供のやる気を削ぐケースが多い中、塾長・村田明彦氏は「自分軸」の学びを強調。親の期待やSNSの影響で他人軸になりがちな子供に、主体性を持たせる方法を提案。塾と親が見守り、対話でモチベーションを高め、成長を促す大切さを説く。

親の期待が子供のやる気を奪う現実

動画では、大学受験塾「Mr.ステップアップ」の塾長・村田明彦先生と、受験生を持つ親子の関係性について語りました。
現代の子供たちは、SNS依存や周囲の目線に敏感で、自分の意見を押し込めてしまう傾向が強い。
特に親が「いい大学に行ってほしい」「医学部じゃないとダメ」と強く望む場合、子供は自分の興味を無視し、他人軸で勉強を始める。

例えば、文学部や哲学に進みたいと思っても、「そんな学部じゃ役に立たない」と親に否定されると、子供は主体性を失い、消極的な姿勢に陥ります。

村田先生は、こうしたケースで子供の成績が伸び悩むと指摘。
親の過剰な期待が、子供のやる気を削ぐ原因になっている現実を明らかにされました。
実際、入塾当初は無気力でコミュニケーションも取れない生徒が多いそうですが、親が介入しすぎるとさらに悪化する傾向があるといいます。

子供が「怒られないため」「悪く思われないため」に勉強する他人軸の姿勢は、成長を妨げる大きな壁なのです。

自分軸で学ぶための塾と親の役割

では、どうすれば子供が主体性を取り戻し、自分軸で学べるのでしょうか。
村田先生は、塾と親の連携が鍵だと強調します。

塾では、子供に「なぜ勉強するのか」という目的意識を持たせるため、モチベーションアップの会や古典勉強会を開催。枕草子を読み、現代と過去の悩みの共通点を探るなど、受験勉強を超えた学びを提供しています。
これにより、子供は「大学でこんな本を読みたい」「こんな先生に学びたい」と、自分の欲求に気づき始めます。

一方、親には「見守る姿勢」を求めます。
例えば、医学部を望む親が子供を圧迫する場合、塾が間に入り、本音を引き出します。
ある生徒は「実は工学部に行きたい」と打ち明け、親の同意を得て進路を変更。
逆に、親が「どっちでもいいよ」と認めた途端、医学部を目指す意欲が湧いたケースもあるそうです。

村田先生自身の経験も紹介され、かつて勉強嫌いだった彼が塾の指導で「表現力の大切さ」に気づき、自発的に学び始めた経緯が語られます。
塾が試練を乗り越える環境を整え、親が安心感を与えることで、子供は自分軸で成長していくのです。

学びが一生の宝物になる瞬間

動画の核心は、「学びは一生の宝物」というメッセージです。
受験は単なる点数争いではなく、10代後半という貴重な時期に試練を乗り越え、心のエネルギーを育むチャンスだと村田先生は説きます。

塾では、手作り食事や掃除の会を通じて生活力も養い、トイレを綺麗に保つ習慣まで身につけさせます。
これが、机の整理整頓や集中力につながり、勉強への意欲を高めると言います。

ある生徒は、無気力な状態から1年で表情が凛々しくなり、親の期待を超える大学を目指すまでに成長。
村田先生自身も、受験を経て大学で学ぶ楽しさに目覚め、社会人になっても勉強を続けています。

現代ではスマホやAIに頼りがちですが、受験という通過儀礼を通じて「自分で考える力」や「好奇心」を育てることが、将来の幸せにつながると訴えます。

親と塾が協力し、子供が夢中になれる1年にすることで、学びが人生の財産になる瞬間が生まれるのです。

Screenshot