7月2日は「うどんの日」。讃岐・稲庭・五島など日本各地の名物うどんを紹介しながら、「うどん」という言葉の由来や意味、大和言葉での解釈、「おうどん」という丁寧語の文化的背景までを楽しく深掘りします。
🍜 うどんの日と「いただきます」のこころ
7月2日は、香川県の「うどんの日」。夏至から11日目、田植えが終わる節目に、労をねぎらってうどんを食べるという風習が今も生きています。この日をきっかけに、「うどん」という言葉そのものに込められた意味と日本文化の背景に目を向けていきます。
この動画では、「うどん」と「おうどん」の違いを軸に、名物うどんの食文化、言葉の由来、日本語特有の丁寧さ、そして大和言葉から読み解く命の恵みへの感謝のお話です。
🌾 各地のうどんに宿る風土と知恵
番組では、以下の日本各地の名物うどんが取り上げられ、それぞれの特徴が語られます。
• 讃岐うどん(香川):コシの強さといりこ出汁の香りが特徴。セルフ式の文化もユニーク。
• 稲庭うどん(秋田):手延べで細く、素麺に似ているがコシと風味に優れる。
• 水沢うどん(群馬):水沢観音の門前町で発展。参拝後の一服として定着。
• 加須うどん(埼玉):太めで素朴。日常に寄り添う“家庭の味”。
• 五島うどん(長崎):椿油で手延べされ、つるつるとした喉越し。あご出汁との組み合わせが絶妙。
• 氷見うどん(富山):寒干し製法による手延べ麺。コシが強く、太さのばらつきも味のうち。
• 伊勢うどん(三重):極太でふかふか。お伊勢参りの旅人に優しい仕様。
• きしめん(愛知):平たくて幅広い麺。紀州由来の説と、名古屋の老舗「紀州屋」説などが紹介される。
うどん一杯にも、それぞれの土地で育まれた文化や人々の思いが詰まっているのです。
🧡 「うどん」の語源と、大和言葉の読み解き
「うどん」の語源としてよく知られているのは、漢字「饂飩(うんとん)」に由来する説。中国の“柔らかい麺料理”を意味する言葉が日本に伝わり、「うんとん」→「うどん」と訛ったとされています。
しかしこれはおかしな議論です。
「うどん」は中国の鍋料理とは明らかに異なり、日本独自の製粉技術と職人技によって磨かれてきた料理であり、「中国由来」とするのは日本文化を過小評価するものです。
そこで登場するのが、大和言葉による「一音一義」の読み解きです。
**「う」= 生まれる力、命の始まり、やわらかさ
**「ど」= 大地、土壌、豊穣、根ざす力
**「ん」= 余韻、調和、包み込む響き
この三音を組み合わせると、
「うどん」= 命の恵みが大地に根ざし、まろやかに調和する食べ物
という深い意味が浮かび上がってくるのです。
うどんを食べることは、大地の恵みと命の循環をいただく行為でもある――そんな哲学が見えてきます。
🙏 「おうどん」に込められた美意識と敬意
「おうどん」という言い方は、関西や四国などの地域でよく使われる表現で、単なる方言ではありません。「お」をつけることで、食べ物への敬意や愛情を表す美化語・丁寧語として機能しています。
「おうどん」「おさけ」「おまんま」……日本語には、いただく命に対して敬語を使う文化があるのです。「いただきます」「ごちそうさま」だけでなく、言葉そのものに命への感謝が込められている、という視点は、日本人の精神文化の高さを象徴しているとも言えるでしょう。
🍽️ 結びに
この動画は、単にうどんを紹介するだけでなく、「なぜ日本人は“おうどん”と呼ぶのか?」という問いから、日本文化の根本にあるいのち・感謝・調和の思想を深く掘り下げていきます。
何気なく食べている一杯のうどんに、実はこれほどまでに豊かな精神性と職人の知恵が込められているのだとしたら──今日の昼食は、少し特別な気持ちでいただけそうですね😊
