坂東忠信さんが、絵本『お父さんへの千羽鶴』の誕生経緯や出版の裏話、警察官時代の経験、中国人犯罪の実情、そして現代日本に不可欠なスパイ防止法の重要性を熱く語った対談です。
絵本作家への道と『お父さんへの千羽鶴』誕生秘話
坂東忠信さんは、警視庁勤務時代に外国人犯罪、特に中国人犯罪の現場に長年関わり、過酷な経験を積んできました。心臓を患い警察を退職した後、「心優しい絵本作家」を目指すきっかけとなったのは、地下鉄移動中に突然浮かんできた物語の情景でした。
最初の作品『九番目の戦車』はPHP研究所から出版され、マニアックな書き込みが評価されて予想外の反響を得ます。しかし、続く『お父さんへの千羽鶴』は特攻隊を題材とする内容ゆえに、当時左派色の強かった出版業界で受け入れられにくく、何度も出版社から断られました。中には編集者から原稿をぞんざいに扱われ、説教を受ける屈辱も味わいます。それでも作品を練り続け、靖国神社の宮司とのご縁から電車(でんしゃ)出版で刊行が実現。その後アニメ化・教材化され、学校や家庭で視聴される作品へと発展しました。
出版業界の現実と制作の工夫
坂東さんは絵本制作の実務的な工夫も詳しく紹介しました。例えば、見開きページでの絵と文章の向き、主人公の進行方向とページめくりの関係、印刷工程での「8の倍数ページ」の重要性などです。これらは読者の視線誘導や印刷効率に直結し、単なる創作意欲だけでは完成しない現実的な要素です。
また、カラーコピーが高価だった時代に自費で試作品を作り、出版社へ持ち込みを続けた苦労や、業界特有の「新人作家は一本目で評価され、二本目以降は企画内容で選別される」という厳しい壁についても率直に語られました。
外国人犯罪・移民問題との向き合い
絵本作家として活動を続けながらも、坂東さんは警察官時代に培った語学力と現場経験を生かし、中国人犯罪や移民問題の調査・発信にも力を注ぐようになります。外国人の良い面・悪い面を冷静に分析し、日本人が無知なまま受け入れれば国が危うくなるとの危機感から、社会派作家としての活動が本格化しました。
当初は「副業」のつもりだった外国人犯罪の啓発活動が、次第に主軸へと変わり、著書『通訳捜査官』などで現場の実態を公表してきました。
スパイ防止法の必要性と現代日本への警鐘
対談の終盤では、現在日本が「スパイ天国」と呼ばれるほど、外国勢力による工作活動に無防備である現状が語られました。先進国でスパイ防止法を持たないのは日本だけであり、国益や国民の安全を守るため、法整備は急務です。
スパイ活動に関与する政治家やコメンテーターが世論形成に影響を与え、日本の富や情報が流出している現実を直視すべきだと強調。反対する政治家は「何らかの利害関係を持つ」との見解も示しました。ただし、敵対者に対しても「誰かを守るために行動している点には敬意を払う」という姿勢を持ち、恨みではなく毅然と距離を置くべきだと述べています。
一貫する「日本を良くしたい」という思い
警察官、絵本作家、社会派作家と活動の振れ幅は大きくとも、その根底には常に「この国をより良くしたい」という思いがあります。坂東さんは、自身の行動原点を「理由は説明できないが、やらずにはいられない」と語り、先人が築いた日本を子や孫に引き継ぐ責任を強く自覚しています。
最後に、視聴者一人ひとりが自らの持ち場で小さくても行動を積み重ねることが、未来の日本を守る力になると呼びかけました。
