2025年の判断が、100年後の日本の有無を分けるかもしれません。戦時の空襲と山林焼失、民族そのものを薄める発想、そして終戦の詔勅による文明的選択。焼け野原からの復興は、政治のスローガンではなく、人々の働きと道義が支えました。では、いまの日本はどこへ向かうのか。歴史の「痛点」を直視し、未来の基準を明確にしておきます。

Ⅰ.「日本が消える」という企図を直視する――空襲・山火事・“薄める”発想

テーマは過激に見えて、根は冷徹な現実認識をしようとするものです。
戦時下、日本の都市は艦砲射撃と空襲で焼け、山間部も焼夷弾で広域の山火事に見舞われました。
神社のご神木だけが高樹齢の大木として残っているのは、地域が命がけで守ったからにほかなりません。
石油が遮断された状況で家々は火を要し、山林は生活の燃料源でもありました。

加えて、先の大戦において、民族そのものを“識別不能に薄める”発想があったことも念頭に置く必要があります。
敵対勢力にとって、日本人は「人間ではない」と認識された対象でした。
民間を狙った空襲下の機銃掃射や広域の焼失は、その認識の延長線上にあるものといえます。
日本人は獣とみなされていたのです。

獣ならば、抵抗すれば「殺処分」の対象です。
この発想が、戦時の日本人に向けられたとき、悲劇は制度化しました。
重要なのは、そうした視点が現実の行動を「正当化」してしまうという事実です。

Ⅱ.終戦の詔勅が開いた“文明的選択”――道義を掲げ、復興は人が担った

終戦時、本土決戦か、奴隷化かという極限の二者択一がありました。
昭和天皇の終戦の詔勅は、この二択ではなく、イザナギとイザナミの最後の別れのシーンにある「三番目の選択」・・・つまり、暴力の連鎖を止めるという文明的選択でした。
こうして「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という言葉は、戦後の基準線となり、社会の上層・中核を担った戦前戦中世代は、
「職場に政治と宗教を持ち込まない」
「右も左もなく、まず働く」

を合言葉に復興に没頭したのです。

ここで強調しておきたいのは、高度経済成長を押し上げたのが人々の「労働と道義」であったという点です。
政策は追認でしかなく、現場の努力が日本を立て直したのです。
焼け野原からの住宅建設、産業の再興、賃金の上昇、そして世界に通用する企業群の誕生。
復興は、スローガンではなく、日々の現実改善の積み重ねであったのです。

Ⅲ.2025年の選択――道義・自立・介入の線引きを基準にする

問題は現在です。
人口構成の急変、主権の希薄化、政治・行政の過剰介入による停滞、30年に及ぶ成長不全。
これらの背景にあるのは、日本と日本人の自立を損なう介入の増大です。

これがわかれば、ここからの基準は明快です。
第一に、道義を重んじること。
基準なき利便や短期の損得ではなく、「民こそ宝」という日本的道徳を中軸に置くことです。
第二に、自立を支える制度を選ぶこと。
生命線(食料・水・交通・通信)は公共で安定させ、民の現場には挑戦と工夫の余地を広く残すことです。
第三に、分断を招く善悪二元論から距離を取ること。
歴史の痛点に“因果”で向き合い、必要な改善を重ねることです。

外国人流入と主権の問題、経済政策と現場の自由度のバランス、教育と文化の継承等々、いずれも対立の図式ではなく、これらは「線引きと運用設計の問題」です。
100年後に「日本」と「日本人」を残すかどうかは、2025年の意思決定に懸かっています。
選ぶべきは、道義を掲げる成熟、現実に効く制度、そして学び続ける社会です。

結びとして――国家の存続は、激しい言葉ではなく、日々の“まっとう”の積み重ねで決まります。
歴史の記憶を曖昧にせず、現在の因果を直視し、未来へ誇りを手渡す。
ここから先の一歩を誤らないために、基準を胸に刻んでいきたいものです。

【所感】

いま、SNSの世界では「誰が悪い」「どの党が悪い」「DSが悪い」といった断罪の声があふれています。
けれど、犯人探しだけで社会が良くなることはありません。
原因を突き止めることは入口にすぎず、出口は「どう立て直すか」にあります。

戦後の高度経済成長は、政治家が奇跡を起こしたのではなく、
人々が「まっとう」に働き、「他者のために汗を流す」ことを誇りとした結果でした。
逆に、バブル崩壊後の停滞は、国民が政治に活路を求めすぎたことから、現場の自立が失われていったことが原因とも言えます。

問題の根は「政治の腐敗」ではなく、「依存の蔓延」にあります。
誰かが日本を救ってくれるのではなく、
私たち一人ひとりが、自らの場で責任と誇りを持つことこそが、日本を護る道です。

「批判」から「再建」へ
政治や制度を待つのではなく、自立の道徳を取り戻すときが来ています。
日々の“まっとう”を積み重ね、未来を明るくする力は、いつの時代も民の手にあります。

Screenshot