今回は、アノアス財団中部支部の支部長・山田友和さんをお迎えし、「農」を通じた暮らしの再生、日本人の精神性の再発見、そして支え合う地域づくりのあり方について対談しました。
🌾 日本の未来を描く「農」の力──アノアス財団の取り組み
今回は、アノアス財団中部支部の支部長・山田友和さんをお迎えして、日本の未来をどう描くか、というテーマで語り合いました。
私がこの財団の活動に深く共感している理由は、「農」に立ち返るという根本的な視点にあります。明治以降、日本はヨーロッパ型の商業国家を目指して歩んできました。それによって豊かさや便利さを手にした一方で、食料自給の危機や、日本人本来の精神性の喪失といった問題が表面化しています。
アノアス財団は、こうした現状をふまえ、「まずは農から見直そう」という提案を具体的な行動に落とし込んでいます。中部支部もまた、その実践の場のひとつであり、私も講演という形で関わらせていただくことになりました。
🌱 土に触れて、心に触れる──市民農園で得た体験と気づき
山田さんは、本業として自動車産業に携わりながら、週末などの時間を使って農業に取り組まれています。ご自宅の近くで市民農園を借り、土に触れ、草を抜き、虫と向き合いながら、少しずつ作物を育てる日々──。
「虫に食べられてしまうのもまた学び」と語る山田さんの言葉からは、単なる家庭菜園以上の、深い気づきと喜びが感じられました。実際に育てたトマトやピーマンは、普段野菜が苦手なお子さんでも「もっとちょうだい」と言って食べてしまうほど美味しく、生命力に満ちたものであったそうです。
この体験を通じて、山田さんは「自分の身体と向き合う時間」「自分自身を見つめ直す機会」が得られたと語ります。農作業は単なる労働ではなく、自分自身を整える時間であり、心と身体の再生のプロセスでもあるのです。
🤝 支え合いの仲間と共に──農から始まる「絆」の再構築
アノアス財団中部支部には、現在約230名が所属しており、全国規模では約1400名の仲間が活動しています。それぞれが小さな実践を重ねながら、学び合い、励まし合い、地域社会との絆を少しずつ深めています。
政治や制度では解決できない問題にこそ、人の手と心が必要です。山田さんも、「大きなことはできないかもしれないけれど、今日の5分が明日を変える」と話されていました。ひとりではできないことも、仲間となら成し遂げられる──そんな実感がこの活動にはあります。
そして10月19日(日)には、名古屋駅前・ウインクあいちで講演会が開催されます。私も講師として登壇し、「日本の出発は農業にある」というテーマで第1部を担当し、第2部では「今、自分にできることは何か」を皆さんと一緒に考える場を持たせていただきます。
🌟 さいごに
かつて日本人の暮らしの中心には、いつも「農」がありました。自然とともに生き、季節を感じ、手を動かして暮らす日々のなかに、人間としての誇りや豊かさが育まれてきたのです。
今、時代が再び「原点に還る」ことを求めています。アノアス財団の取り組みは、まさにその出発点を照らす大切な光だと感じています。
少しでもご興味を持っていただけた方は、ぜひ講演会にもお越しください。ともに語り合い、未来をつくる仲間として、新たな一歩をご一緒できれば幸いです。
