【今日は何の日】1月28日 初不動の御縁日と神仏習合|小名木善行
初不動は不動明王の縁日で、魔を断ち煩悩を沈める神仏習合文化の象徴。本動画では、不動明王や三宝荒神の役割、推古天皇時代の神仏習合の歴史的意義について解説します。
- 初不動と不動明王の役割
毎月28日は「不動明王様の縁日」であり、その年最初の縁日が「初不動」。
不動明王は五大明王の一尊であり、魔を断ち煩悩を沈める役割を持つ。
五大明王には不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王が含まれる。
怒りの表情を浮かべる不動明王の姿は、力強い守護の象徴。
- 神仏習合の歴史的背景
同じ1月28日は「三宝荒神の御縁日」でもある。
三宝(仏・法・僧)を守り、不浄を厭離する神仏習合の象徴。
荒神様は、三面六臂または八面六臂で描かれ、火と竈の神「かまど神」として信仰されてきた。
日本の神仏習合の起源は、推古天皇時代の「仏教興隆の詔」(594年)と「敬神の詔」(607年)。
仏教を保護しつつ、神祇を重んじる方針が示された。
この二つの詔により、日本は神道と仏教を融合させる独自の文化を築いた。
- 神仏習合が日本文化に与えた影響
仏教を取り入れた日本は、「道」と「教え」を両立させる姿勢を形成。
神道を「道」としての基盤に、仏教を「教え」として取り入れる。
日本の神仏習合文化は、他国の宗教対立とは異なり、共存の知恵を生み出した。
(例)
真言宗では三宝荒神を仏壇ではなく神棚で祀る。
高野山には神社も存在し、融合の象徴となっている。
この独自の調和文化は、現代においても日本人の柔軟な価値観に影響を与えている。
【参考】
敬神の詔 607年(推古15年)
「古来わが皇祖の天皇たちが、世を治めたもうのに、
つつしんで厚く神祇を敬われ、山川の神々を祀り、
神々の心を天地に通わせられた。
これにより陰陽相和し、神々のみわざも順調に行われた。
今わが世においても、
神祇の祭祀を怠ることがあってはならぬ。
群臣は心をつくしてよく神祇を拝するように」