ヒーラー新子千晴先生を招き、「氣」を上げ運気を整える方法を対談。
命は等しく尊く、祖先・自然・言霊と響き合うことで心身は整う。
鍵は自律(自らを律する)と「惟神霊幸倍坐世」の実践にあります。
第一章 “氣が上がる”とは何か──命は等しく、響き合う
対談のゲストは、青山でヒーリングサロンと学院を運営する新子千晴先生。
新刊は「読むだけで氣が上がる」を掲げ、心身の不調や人間関係、運気の停滞を“周波数(氣の質)”の乱れとして捉え、丸ごと整える道筋を示します。
読者からは「呼吸が深くなった」「涙があふれた」「やる気が戻った」といった体験談が寄せられ、言葉そのものに整える力が宿ることを示唆します。
先生の原体験は「命は等しく尊い」という感受性です。
犬や樹木、虫、花に至るまで、命は同じ重さで尊ばれる。
日本古来の感性は、その等しさに根ざしていました。
現代では教育・環境・食などの影響で、この感性が麻痺することがありますが、元来の“本来位”に戻せば、誰もが自然と響き合えるようになる――ここに、本の核があります。
人生を動かすのは出来事ではなく心の在り方です。
恐れや焦りから外側を変えようとするより、まず内側の整えに立ち返る。
掃除で心が静まり、呼吸が深まると、現実の見え方が変わるように、“内が外を変える”のが道理です。
だからこそ「氣を上げる」とは、単なるテンションではなく、“存在全体の調律”なのだと位置づけられます。
第二章 宇宙自然の理と日本語の叡智──言霊・自律神経・惟神
先生は、祖先の仕事(木こり・宮司・樽職人)や自然への畏敬、そして音への洞察から、人は音(振動)で救われると語ります。
言葉は音であり、音は周波数であり、周波数は氣です。
大和言葉の一字一義を丁寧に捉え直し、語の芯に触れていくほど、発話が祈りとなり、祈りが整え(チューニング)になります。
鍵語の一つが「自律神経」。字義どおり“自らを律し、神の道(謀)に立つ”働きとして解きほぐす点が特徴です。
単なる生理学用語に留めず、暮らしの姿勢・呼吸・食・睡眠・所作・言葉・祈りなど、毎日の積み重ねで“自ら律する体”に戻す。
現代の情報過多や外部指令(恐怖・同調圧力)に心身が引きずられると乱れますが、内側の価値基準を取り戻すほど、自律神経は穏やかに統一へ向かいます。
もう一つの要は「惟神霊幸倍坐世(かんながら たまちはえませ)」。
唱える回数は目的や場に応じてよく、通すべき事を通すとき、迷いを鎮めたいとき、過去から未来への“結び”を強めたいときに用います。
これは個の願望を押し通す呪句ではなく、祖霊・自然・宇宙と調和し、成すべき事が流れ来る道をひらく“姿勢”です。
外に力を求めず、内から溢れる光で外界に働きかける「インサイドアウト」の実践と言えます。
本の構成は第一段から第二百二十八段までの短章連結で、枕草子のように独立しつつ全体が串刺しで一貫します。
「成果を出す人の三条件=氣が高い/今は幸せと思える/自然・宇宙・祖先の声を聴く」をはじめ、「日本の国歌の意味」「天才の発揮」など、大テーマを生活の文脈に落とし込む設計です。
読書そのものが“調律儀式”になるよう、言葉・リズム・事例の重ね方まで配慮されています。
第三章 七つの光と“天と地を結ぶ場所”──体験が教える道
対談では、先生がハワイなど“天と地を結ぶ場”で受け取った「七つの光」の体験にも触れました。
虹色の光の矢のような示唆が降り、キャンバスに手が走る。
神話的な語りのようでいて、本人にとっては「命は連続している」という実感の延長にあります。
細胞は祖霊や自然の恵みの連続でできており、食も息も出会いも循環の鎖のひとこま。
だから“自分を大切にする”とは、祖霊・自然・社会全体の鎖を丁寧に扱うことに他なりません。
この視点に立てば、「良い/悪い」の二元で抑圧する姿勢は、かえって歪みを増幅します。
恐れや嫉妬、破壊衝動すら“裏面の願い”を秘めるもの。
否定で蓋をせず、丁寧に見つめ、奥にある「愛されたい」「つながりたい」「役立ちたい」という正面の願いを掬い上げると、歪みは光に変わります。ヘドロに埋もれたダイヤを磨く作業に似ています。
本が「読むだけで氣が上がる」と言える理由もここにあります。
言葉の選択・章の呼吸・声に出したときの響きが、“整う体験”として設計されているからです。
読む行為が、姿勢を正し、呼吸を深め、祖霊と自然に心を向ける“型”になっている。
結果として自律神経が穏やかに整い、今この瞬間の“幸せ”を感じやすくなるのです。
実践編 今日からできる「氣を上げる」整え
対談で挙がった要点を、日々の実践に落とすと次の通りです。
- 呼吸:吐くを長めに、鼻呼吸で下腹を静かに動かします。
- 姿勢:骨盤を立て、みぞおちを抜く。肩の力をほどき、首を長く。
- 言葉:大和言葉を丁寧に。感謝と祈りを声に出す。
- 祈り:「惟神霊幸倍坐世」を目的に応じて唱える(回数は場に応じて)。
- 触れる:掃除・片づけで場の周波数を上げる。自然(木・土・水・風)に触れる。
- 食:体が喜ぶものを“いただく”。循環に敬意を払い、よく噛む。
- つながる:祖先・自然・友と“ありがとう”を交わし、喜びを分かち合う。
結び 学びを楽しく──“読めば整う”を日常へ
“氣が上がる”とは、無理に奮い立つことではなく、本来の調和に戻ることです。
命は等しく尊く、祖霊と自然と社会に支えられている――
その自覚が深まるほど、心身は静かに統一へ向かい、運は自然に流れ込みます。
言葉・呼吸・所作・祈りをとおして、今日という一日を丁寧に整えていきたいと思います。
新刊の背景を知ることで、読書自体が“整えの道”になるはずです。
