日米関税交渉を題材に、ビジネス交渉の文化的違いを明らかにしながら、「和」とは何か、日本人が持つべき交渉観・責任観とは何かを語りました。真の交渉とは、心が共鳴することです。

◆ 日本とアメリカの交渉スタイルはこう違う

今回の放送では、日米関税交渉を切り口に、「交渉とは何か」を文化的背景から掘り下げました。

日本のビジネス交渉は、いわば「誠意」をもって頭を下げ、信頼関係のなかで合意を形成する“長札販売”スタイル。相手の気持ちを尊重し、数字の裏にある思いを汲み取りながら、お互いに気持ちよく交渉を進めていくのが基本です。

ところがアメリカでは、初手から“ふっかける”のが当たり前。トランプ元大統領のように、最初に25%の関税を突きつけ、10%で着地すれば勝ちという、まるで駆け引きそのもののような戦術が文化として根づいています。

この違いを知らないまま交渉の場に立つと、日本はいつも損な役回りをさせられることになります。
だからこそ、文化の違いを知ることが何よりも大切なのです。

◆ 日本の“和”とは「心が共鳴すること」

交渉文化を語るうえで、日本の「和(わ)」の文化こそ、世界に誇るべきだと考えています。

日本語の「和」は、単なる“ハーモニー”ではありません。
「心と心が共に震えること」「共感し、共鳴すること」こそが和の本質です。
英語圏の方にその意味を伝えるため、今、英語ブログや翻訳作業に全力で取り組んでいます。

英語に訳すとき、“和”を”Harmony”と簡単に言ってしまうと、その本来の意味がまったく伝わらなくなってしまうのです。
だから私は、自分で書いた日本語の本を、自分の手で英訳するという無謀ともいえる挑戦を始めました。
70歳を過ぎて、苦手だった英語ともう一度向き合っています。

なぜなら、誰かがやらなければ、何も変わらないからです。

◆ 「政治の交渉力」と「魂の在り方」

日米交渉において、日本側の代表が「15%で合意しました」「さらに80兆円を米国に投資してきました」と発表しても、それが本当に国益にかなったのかどうかは疑問が残ります。
交渉とは戦いです。相手が25%をふっかけてくるのであれば、日本も「だったら我々も米軍基地を引き上げます」と言えるだけの“腹”と“覚悟”がなければ、まともな交渉にはならないからです。

ところが現在の政治は、肝心なところだけアメリカ式。
責任を取らず、都合のいい部分だけを真似る。
これは日本の伝統的な「関係責任」の文化からはかけ離れた態度です。

私たちが本当に大切にすべきは、「知ること(知らす)」です。
相手の交渉スタイル、考え方、自分たちの文化の違いをよく知り、そのうえで“共に未来を築くための交渉”を目指さなければなりません。

◆ そして、未来を担うのは「魂の共鳴」

私は、右とか左とか、イデオロギーによる対立ではなく、魂が共鳴し合う社会を目指したいと考えています。
言葉を越え、文化を越え、互いの心が震えあう――その延長線上に、日本の「和」があります。

いま、世界はローカリズムとグローバリズムの対立という新たな時代に突入しています。
その中で、日本が果たすべき役割は、「和の文化」を世界に伝えること、そしてそれを自分たち自身が忘れずに守り抜くことです。

だからこそ、私は英語での発信にも挑戦し、真の意味での「共鳴」を世界に広げていきたいと思っています。
Googleの翻訳機能では伝わらない、日本語の精神性と奥行きを、丁寧に言葉にしていく作業。
それは、日本人が持つ魂そのものを表現する営みです。

🎤 おまけ:イベント情報も盛りだくさん!
 • 8月9日 名古屋講演:「日本のかたちができるまで」をテーマに講演
 • 8月10日 靖国神社正式参拝:朝9:30受付・10時参拝開始(玉串料2000円)
   https://nezu3344.com/blog-entry-6202.html
 • 8月11日 むすび祭@枚方市:及川幸久さん、三枝誠さん、芳賀ヒカルさんら豪華登壇者とともに1000人規模のイベント!
   https://info.hokkyoku-ryu.com/3870/

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