食料危機と国防の本質について、東郷潤先生と語り合いました。CO2削減の前に必要なのは備蓄ではないか?という問いから、地球温暖化の「科学的根拠」も検証します。

● 命を守るために、いま何が最優先なのか?

今回の倭塾対談では、東郷潤先生とともに「本当に優先すべきものは何か?」という視点から、食料安全保障と地球環境問題について語り合いました。

「食料自給率を上げるべき」という声はよく聞きます。
しかし、問題は「なぜそれが必要なのか」という本質です。
もしも戦争や経済封鎖、異常気象などで輸入が止まったら──日本は食料危機に直面します。
だからこそ、備蓄が最重要課題だと私は考えています。

現状では、せいぜい数ヶ月分の米の備蓄しかありません。「最低10年分の備蓄」が本来必要なレベルです。飢餓は、最も恐ろしい“国防上の脅威”なのです。

● CO2削減政策──本当に正しいのか?

地球温暖化については、多くの予算がCO2削減に投じられています。
しかし、その「科学的根拠」は本当に信頼できるものなのでしょうか?

例えば、地球の平均気温が産業革命前から「1.1度上昇した」と言われますが、1980年以前の気温は正確に測定されていませんでした。
都市部の“ヒートアイランド現象”による偏ったデータや、限られた測定地点による情報をもとに作られた数字が、どこまで信頼できるのか。

また、気候モデルにおいても、太陽活動や海流の変化、雲の形成など、重要な自然要素が“無視されている”という専門家の指摘もあります。
科学的に「わからないこと」を、あたかも確定した事実のように扱う──そこに危うさを感じずにはいられません。

● 地球の歴史が教えてくれること

私たちが「CO2が増えて大変だ」と騒いでいるその現在の濃度(0.042%)は、地球史全体で見れば“異常なほど低い”数値です。
地球が誕生した頃は、CO2濃度はほぼ100%に近く、そこから40億年かけて現在の値まで下がってきたのです。

実は、1981年から2020年の間に、地球全体の緑は12%以上増加しています。
これは、CO2濃度の上昇により、光合成が活発になった結果だとする研究結果もあります。
農業生産にも良い影響があり、米や小麦の収穫量が上がったというデータも存在します。

もちろん、急激なCO2濃度の変化は生態系にストレスを与える可能性があります。
ですが逆に言えば「CO2を急激に減らす」こともまた危険なのです。
植物はCO2がなければ光合成できませんから、下手をすると地球の酸素供給にも影響が出るおそれがあります。

だからこそ、CO2問題は「急がず、焦らず、慎重に」向き合うべきだといえます。

● 優先順位を見直すとき

今回の対談で、改めて強く思いました。
「命を守るために、いま何をすべきか?」

このように考えると、食料備蓄こそ、今この国が最優先ですべき“国防”であるといえます。
CO2削減も気候変動対策も大切ですが、その前に「まずは生きる」──その土台がなければ、どんな政策も意味を成さないからです。

「わからないことは、わからないまま受けとめる」。
そして、過去の歴史や自然の声に耳を傾ける。

そこに、人としての知恵があるのだと思います。

【感想】
今回の対談でもまた、多くの気づきをいただきました。
「国を守る」と言うと、すぐに軍事的な話を想像しがちです。
しかし本当に大切なことは、「まず、生きること」
──東郷先生のこの視点には、あらためてハッとさせられました。

食料自給率の向上だけでなく、「備蓄」の必要性。
このことがここまで明確に語られる機会はなかなかありません。
とくに「最低10年分」という提言は衝撃的なものでした。
けれど、これを都道府県単位で分散して保存し、連繫して食料対策にあたることが実現したら!
日本は、世界一、安全に人々が生きることができる国となり、また、地方経済の活性化にも寄与します。
素晴らしいことだと思いました。

また、CO2問題についても、地球の歴史や植物の働きといった長期的視点からの見直しは、とても新鮮で納得感がありました。
「科学的にわからないことを、わからないままに受けとめる」という姿勢には、人としての誠実ささえも感じます。

日本の未来を真剣に考えるうえで、こうした地に足のついた議論が必要だと、改めて強く思いました。
次回のPart.2も、どうぞご期待ください!

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