4月24日「植物学の日」にちなみ、牧野富太郎博士の偉業と人柄、志布志市の歴史と誇りを紹介。植物への愛、生涯研究を貫いた生き方、「雑草という草はない」に込められた哲学を、温かく語ります。

◉ 志布志という地名に込められた誇り

4月24日は語呂合わせで「志布志の日」でもあります。鹿児島県志布志市は、かつて第38代天智天皇がその土地の人々の志の高さに感銘を受けて「志布志」と命名されたという由来を持ちます。

通常、地名は漢字二文字が基本とされた時代に、あえて三文字で命名されたこの地名は、特別な敬意の表れでした。市役所の所在地はなんと「志布志市志布志町志布志」──早口言葉のようですが、地元の方々がその名に誇りを持っておられる証でもあります。

10年前、志布志市で講演を行った際の思い出にも触れながら、「名は体を表す」という日本人の精神が地名にも息づいていることを語っています。

◉ 植物学の父・牧野富太郎博士の生き方

同じく4月24日は、「植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎博士の生誕日にちなんで「植物学の日」とされています。博士は江戸時代末期の文久2年に高知県で生まれ、昭和32年に94歳で亡くなるまで、生涯をかけて植物の研究を続けました。

その研究熱は並々ならぬもので、研究に必要な本を手に入れるため、なんと奥様の着物を質に入れてまで学びを続けたという逸話もあります。博士を支え続けた奥様の愛情と理解もまた、日本人の美徳を象徴する存在だったといえるでしょう。

しかも博士は小学校中退という学歴ながら、独学で学問を極め、東京帝国大学から理学博士号を授与されました。「学歴ゼロ、博士号あり」──この事実こそ、日本という国の懐の深さを示す証左です。

◉ 「雑草という草はない」──すべてに名前と意味がある

牧野博士が命名した植物はなんと1500種以上。その中には「ヤマトグサ(大和草)」という、日本で初めて学名を持った植物も含まれています。この命名には、「日本人の、日本人による、日本人のための植物学を作る」という博士の熱い想いが込められていました。

そして、博士の名言として広く知られるのが「雑草という草はない」という言葉です。名前を知らないだけで、すべての草には名前があり、意味がある。

これはまさに、人間社会にも通じる哲学です。誰もが名前を持ち、役割があり、人生の主役なのだと。小名木さんはこの言葉に「誰一人モブキャラなんていない」という想いを重ね合わせ、視聴者の心に優しく寄り添います。

🌱最後に──

牧野博士は、亡くなるその朝まで植物の観察記録をノートに取り続けていたと言われています。その姿勢に、小名木さんは「生涯をかけて一つを貫くことの尊さ」を感じ取られます。

現代において、学問や思想が「金になるか否か」で評価されがちな中、どれだけ不器用でも、一つのことを深く、誠実に探求し続ける姿勢こそが、未来に光を灯すのだと教えてくれているようです。

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