第109回倭塾は、2024年5月25日 12:30-17:00 の開催です。
場所は富岡八幡宮/婚儀殿2F。テーマは「マネーの歴史とこれから」です。
みなさまの奮ってのご参加をお待ちします。詳細はコチラ

とある異世界にある惑星のお話です。

昔々、宇宙のあるところに、「亜州(あーす)」と呼ばれる星がありました。
「亜州」には、お金という不思議なものが存在していました。

お金は、交換価値を持っていました。
その星でも、大昔は物々交換でしたが、これですと、その日の気分や力関係によって、交換価値が常に変動します。
そこで交換価値を、金銀銅といった鉱物に頼るようになりました。

ところが金銀銅を毎日持ち歩くのでは、重くて結構たいへんです。
そこで14世紀に、世界を制覇した大国が、金銀銅などの鉱物との交換券を紙で発行しはじめました。
ところがその大国は、きわめて短期間に超巨大国家として成長したために、金銀銅が足りない。
そこで、大陸の内陸部で人々が生きるのに絶対不可欠な「塩」を、支配族の専売制にし、その塩と交換できる紙を発行するようになりました。
こうして、紙で出来た交換券(紙幣)は、その星で急速に普及していきました。

ところがその紙の交換券を発行していた国で疫病が大流行し、人口の8割が失なわれ、その恐怖に、支配層であった民族は、もとの出身地である北の大地にへと帰っていってしまいました。
こうなると、支配層が消えたその元超大国内では、それまで流通していた紙幣が、支配層による塩との交換力を失ったことで、ほんとうにただの紙になってしまいました。

山のような、それこそ数億円分の紙幣を持っていっても、大根一本買うことができない。
そりゃそうです。交換価値を失えば、紙は紙でしかないのです。

けれど、人々は生活しなければなりません。
そこには流通も当然必要です。
そこで紙に変わる交換価値を持つものは、もとの金(Gold)ということになりました。

その頃、元の超大国の版図のなかで、もっとも多くの黄金を持っていたのは、西にいた「押万(おすまん)」というヤクザの大親分でした。
この親分は、元超大国の東のはずれにあってたくさんの黄金を持っている蓬莱国との交易によって、巨額の黄金を手にしていたのです。

国が滅んでも、人々は食べて生きていかなければなりません。
そのためには働かなければなりません。
なかでも力自慢の大男たちは、すすんで押万氏のもとに集まって行きました。
こうなると押万親分としては、そんな大男たちを、なんとかして食わせなければなりません。
そこで親分は、大男たちに、西にある大きな内海に浮かぶ交易船をさかんに襲わせることにしました。
こうして押万親分のもとにいた大男たちも、たくさんの金銀財宝を手に入れるようになりました。

けれど血気盛んな大男たちが、自分でそんな金銀財宝をいつまでも抱えて手に持っているわけには行きません。
そこで彼らは、手に入れた黄金を石屋さんに預けることにしました。
なにしろ石屋さんは、城塞都市ではもっとも重要な職業でしたし、城塞間をいくつもネットワーク化しています。
それに、なんたって石屋だけに堅い(笑)。

石屋さんは、お客様の金銀を預かると、当然のことながら紙の預り証を発行しました。
けれど毎回オリジナルの預り証を発行するのでは、別な城塞に行ったときに、偽物を掴ませられる可能性があります。
そこで、金のグラム単位であらかじめ預り証を作っておき、これを用いることにしました。
こうして金と交換できる紙の交換券が生まれました。

ところが、石屋さんたちは、ここでおもしろい発見をします。
それは、金1gだけ持っていれば、1gの預かり券を何枚でも発行できる、ということです。
なぜなら、毎日全部を金に交換に来るわけではない。
だから、見せ金だけ持っていれば100g分の交換券を発行しても問題ないのです。

石屋さんたちは、この仕組みで大儲けをしました。
そしてこれを「信用創造」と呼びました。
なにしろ、1キロの金を持っているだけで、その価値の100倍の信用創造ができたのです。
それこそまる儲けです。

それぞれの国が独立を果たす頃、石屋さんたちは、それぞれの国で通貨を発行する中央銀行に、共同で出資をしました。
そうすることで、その国でどれだけの通貨が発行できているのかをリアルタイムに知ることができるからです。
そしてこのことが、それぞれの国が別々に発行している紙幣の交換を可能にしました。
たとえば1ドル=100円だったものを、円の国がこっそり印刷機を回して、通貨を倍発行しても、その場合は、1ドル=200円にするだけで、ちゃんと帳尻が合うようにしたのです。

ところが、1971年のこと、肉損さんという、ある大国のトップが、ドルと金(Gold)の交換を罷(や)める、と言い出しました。
するとその国は、ただ印刷機を回すだけで、世界中からいくらでも買い物ができるようになりました。
これはどうみてもインチキです。
いわばトイレットペーパーで、買い物をさせろ!というに等しいからです。
けれど、そう言って抵抗する国を、その大国は、強大な軍事力で、次々と滅ぼしていきました。

これが何を意味するのかというと、
もともとは紙の通貨の信用が、金銀銅といった鉱物資源で担保されていた。
これを今度は、ミサイルによる恫喝を担保にしたわけです。
無茶な話です。

ところがこの無茶が、世界中の通貨をふくらませました。
なにしろただの紙で、いくらでも買い物ができるのです。
その大国には、世界中の富の半分を制する大金持ちが誕生したりしました。

この成功を横目で見ていた(自称)超大国がありました。
その(自称)超大国は、この無茶な仕組を、むしろ積極的に利用しました。
その国の通貨は、源氏と同じ「源」と言いました。
けれど、その国の中央銀行(通貨発行銀行)には、国際金融資本が入っていません。
つまり、いくらでも自国の通貨を印刷機で印刷できるようになっていました。

当然のことながら、そんなアブナイ通貨と、自国の通貨を交換する国はありません。
でも、ただひとつ、抜け道があったのです。
それが、栄国が租借していた本(ほん)根(こん)という都市でした。
そこでは本根度流という通貨が発行されていました。
「源」は、その「本根度流」とだけは、交換することができたのです。
そして「本根度流」は、本家の「度流」と交換することができました。

この仕組を利用して、自分たちは世界の中心であると自称する実際には超貧民国でありながら超大国を自称する国は、自国で印刷した紙を、次々に度流に交換していきました。
これに気付いた超大国は、これはマズイと気が付きますが、自分たちは世界の中心であると自称する実際には超貧民国でありながら超大国を自称する国は、タダで交換した度流紙幣を利用して、超大国の政府高官や大金持ちたちに度流をバラまき、問題視されることを防ぎました。
また、このことを問題にしようとする国際金融資本に対しては、国際金融資本の陰謀説を流すことで、問題が表沙汰になることを牽制しました。
この結果、自称超大国の通貨は、その国の政府が発表する、およそ10倍の紙幣が出回るようになりました。

けれど、そのような不正は、いつまでもまかり通るものではありません。
さらに、ただの紙切れを軍事力によって、無理矢理通貨に仕立ててきた超大国の度流の方も、その国の軍事力そのものが、腐敗によって弱化していきました。
これは、紙の信用の裏付けの力が低下したことを意味します。
この結果、「或る世界」では、いま、紙の紙幣の信用が下落し、再び金(Gold)の奪い合いが起きるようになりました。
このため金(Gold)の価格は、いまやおよそ5倍に跳ね上がるようになりました。

要するに、信用の下落した紙の紙幣がトイレットペーパーになる前に、どの国でも、全力をあげて金の買い占めに動くようになったのです。

結果として、金銀銅との交換価値を持たない紙の通貨は、信用を失墜させ、ただの紙切れになっていきました。
すると、あらゆるものの価値が、3分の1に下落しました。
経済は大混乱に陥り、多くの失業者が生まれました。
数多くの餓死者も出ました。
世界の人口も経済も、すべて3分の1になりました。

ところがそうした混乱の中にあって、ある一国だけは、被害を最小限にとどめることができました。
もちろんその国も、世界的な混乱のなかにあって、度流のポチ犬であった政府もなくなって、新たな政府が誕生したりもしました。
ただ、どうして影響を最小限にすることができたのかというと、結局の所、通貨は信用であるということを、その国が地道に守り続けたことによります。

紙の通貨が金銀銅の鉱物資源を担保にした預り証であることも、
ただの紙きれを軍事力による恫喝で通貨に仕立てることも、
いずれも、紙や鉱物や軍事力に価値があるのではなくて、実は、本質的に価値を盛っていたのは、その国の通貨を遣う人々の「信用」であったのです。

信用の本質は、実は非常にシンプルです。
なぜならそれは、
 約束は守る
 裏切らない
という、たった2点だけで構成されているものだからです。

けれど、その惑星では、ただこれだけの、たった2つのことが、ずっと長いことないがしろにされてきたのです。
だから通貨に、鉱物や軍事といった担保が必要だったのです。

その国は、なにより信用を重んじる国でした。
そしてその国に誕生した新たな政権は、自国の自主独立を実現するとともに、約束を守り、裏切らない国とだけ取引をするようになりました。

神々は、さらにその国に祝福を与えました。
それは、その時点で世界で流通している金(Gold)の総量に匹敵する金の鉱脈を与えたのです。
この鉱脈は、もともと発見されていたものでしたが、某大国によって、その開発が禁止されていたものです。

世界最大の金(Gold)の保有国となったその国は、自国の経済を安定させるのみならず、世界中の諸国が平和になるように貢献しました。
そしてそのときに取引相手の国には、信用だけでなく、もうひとつ、絶対に庶民の生活を犠牲にしないという一点を厳しく求めました。

その国の一部の人の利益ではなく、その国の庶民が安全に安心して豊かに暮らせるためならば、その国は資金を惜しみなく与えました。
けれど、それが一部の人の利益に費消されるなら、その国は、一瞬にして、当該国への援助を打ち切りました。

とある世界の、ある惑星。
奪い合いや争いに長く明け暮れていたその惑星では、あることを境に、すべての庶民が豊かに安全に安心して暮らせることが最大の価値となっていきました。
そしてそのことは、あるひとつの国からの贈り物でした。
その名は「ミロク(369)」と呼ばれました。

めでたしめでたし。

色々書きましたが、日月神示の「なにもかも3分の1」というのは、世界全体のことです。
日本は、そうはなりません。
日本の底力を、しっかりと信じて歩みましょう。

※この記事は2022年5月のねずブロ記事のリニューアルです。

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