特に和服は、人の内側を映す鏡のようなところがあります。背筋、所作、心の置き方が、そのまま姿に出てしまう。だからこそ、姿勢は一度正せば終わりではなく、日々の繰り返しの中で磨かれていくものなのだと思います。

和服は、人の内側を映す鏡のようなところがあります。
洋服だと、ある程度、服のデザインやブランドやシルエットで「外側から形を作る」ことができます。
けれど和服は、形そのものがとても単純で、布を身体に沿わせて、帯でまとめるだけです。
だから、着ている人の姿勢、呼吸、所作、間合い、心の落ち着きが、そのまま出てしまいます。
若い女性の着物姿が華やかなのは、もちろん素敵なことです。
けれど、六十を過ぎた女性の着物姿に、はっとするような粋さや品が出ることがあります。
それは、その人が積み重ねてきたものが、和服の上に自然と現れるからなのでしょう。
男性も同じです。和服はごまかしがききません。
背筋、首の据わり、手の置き方、歩き方、目線、声の出し方まで含めて、全部がひとつの「姿勢」として見えてしまう。
だから、整っている人の和服姿は、ほんとうにかっこいい。
逆に、内側に威張りや卑屈さや雑さがあると、それもまた増幅されて見えてしまいます。
だからこそ、姿勢は一度正せば終わりではなく、日々の繰り返しの中で磨かれていくものなのだと思います。


