猿人が出現したのがおよそ600万年前、ネアンデルタール系等の新人類種が出現したのが、およそ25万年前のことです。
ところがおよそ7万年〜7万5千年前に、インドネシアのスマトラ島にある「トバ火山」が大噴火を起こします。
この噴火は地球史上に残る大噴火で、噴煙は世界に広がって、地球気温は年平均で5℃も低下しました。
実はこれが、最終氷河期と呼ばれる時代の始まりです。
年平均気温というのは、1℃違うだけで、鹿児島と仙台の気象が入れ替わります。
それが5℃違うということは、日本がアラスカのような気候になり、赤道直下の気候が北海道から樺太にかけての気候になるということです。
その凄まじさがおわかりいただけようかと思います。
加えて火山の噴火は、その噴煙の中に大量のガラス成分を含みます。
ですからその噴煙を吸い込むと、ガラスの小片が肺に刺さり、動物は死に至ります。
噴火そのものの影響と、その噴煙が世界中に飛び散ったことによる影響、そして地球気温の急速な低下によって、地球上の人口は、およそ1,000〜10,000人程度にまで減少したといわれています。
そして一時に大幅に減少した一族の子孫が、現代に生きる私たちの祖先となりました。
これを「ボトルネック効果」といいます。
おもしろいことに、このときのトパ噴火後、ヒトに寄生するシラミもまた、この時期に変種が生まれています。
毛髪に寄宿する毛ジラミと、衣服に寄宿する衣ジラミで、近年の遺伝子の研究によって、この2種が分化したのも、およそ7万年前とわかりました。
このことは、トバの噴火後、急速に寒冷化した地球を生き残るために、人類が衣服を着用するようになったことを示しています。
問題は、それまでにおそらくはあったであろう進化の多様性です。
例えば人科に近い哺乳類にサルがいますが、サルは手のひらに乗るようなサイズのメガネザルから、大型のゴリラに至るまで、その生態は実に様々です。
顔つきも違います。
目がまるでアニメの人物のように顔の中で大きな面積を占めているサルもいれば、目の小さなサルもいます。
尻尾の長いサルもあれば、ほとんど尻尾がないサルもいます。
つまり、生態が様々なのです。
おそらくは、もともとは一種類であったのであろうと言われています。
それが環境適合のために、様々な形に進化した。
同様の例は、獣医さんの動物病院に行ったら、犬の進化系統図などが壁に飾ってあったりして、ご覧になられた方も大勢あると思います。(下図)
犬も、小型犬から大型犬まで、身体の大きさから、毛吹きにいたるまで、まさに様々な種類があります。
おそらく人も同様に、私たちが考える以上に、はるかに多くの種類があったのではないかと思うのです。
たとえば、旧約聖書の『創世記』および『民数記』、旧約聖書外典(続編)の『ヨベル書』、『エノク書』には、ネフィリム(Nephilim)と呼ばれる巨人が登場します。
エチオピアの旧約聖書の『第一エノク書』第7章には、「地上に降りて人間の娘と交わった天使たち(グリゴリ)によって、巨人が生まれた」という記述があります。
その巨人たちは、人間たちの食物を食べつくすと共食いを行ったと書かれています。
まるでアニメの『進撃の巨人』みたいな話ですが、あながち妄想とばかり言えないことには、そのネフィリムの人骨が、世界中で発掘、発見されていることです。
ためしに「ネフィリム」でネットで画像を検索いただければ、たくさん出てきます。
その画像は、合成だという話もあります。
大型のものですと、身長が10メートルにも達します。
普通に考えて、トパの大噴火のような極端な地球環境の変化があったとき、巨大な身体を持つものは、同じく大型生物の恐竜が絶滅したように、生存は困難であったろうと思えます。
ただ、その一部はごく少数ながら生き残ったとする可能性は、否定はできなかもしれません。
日本にも、夜刀神(やとのかみ)やダイダラボッチと呼ばれる巨人伝説があります。
夜刀神は、『常陸国風土記』に登場する神様、ダイダラボッチは『常陸国風土記』、『播磨国風土記』に登場します。
そのような巨人がいたかいなかったのか、私にはわかりません。
ただ、地球上の生命の進化を考えるとき、いたとしても不思議はない、という気がします。
それに不思議なのは古代遺跡です。
古代遺跡の中には、山の頂上に巨石が持ち上げられているものが多数あります。
どうやってそこまで持ち上げたのか。
それこそ巨人でもいなければ、それはできないことであったかもしれない。
まだまだ超古代というのは、わからないことだらけです。
頭ごなしにウソと決めつけるのではなく、いろいろな可能性を保留しておくことが大事だと思います。
※この記事は2018年10月のねずブロ記事の再掲です。