最近の老人(主に70代以上)の方は、若者の話す日本語の単語の8割が理解できないという話があります。
8割という数字の根拠になるものまでは知りませんし、興味もありませんが、若者言葉が年寄りの話す日本語と、かなり違ってきているというのは事実であろうと思います。
代表的なものをいくつかあげてみたいと思います。
店員「レジ袋はご利用ですか?」
お客「はい、大丈夫です」
(必要なのか必要でないのか、どっち!?)
若者「最近さあ、この情報がバズってんだよね」
老人「???」
(バズるというのは、情報があっという間に広がることをいいます)
老人「君たちは仲間同士なの?」
若者「俺たちクラスタさ」
老人「コロナですか?!」
(クラスタは単に集合体とか仲間の意味で使われている)
若者「みつです」
老人「え、二人だよ?」
(若者言葉で「みつです」は、距離が近いという意味)
若者「今度の土日でおしゃピク行かない?」
老人「それどこのお店?」
(おしゃピクはおしゃれなピクニックの意味)
早く帰ろうとする若者に
老人「君、もう帰るのかい?」
若者「今日はいえきゃんっす」
老人「何のキャンセル?」
(いえきゃんは、自宅でキャンプするという意味)
若者「ちーぎゅう食べてえ」
老人「和牛じゃないの?」
(ちー牛は、チーズ牛丼の意味)
老人「彼女はどうして泣いてるの?」
若者「ぱおんですよ」
(ぱおんは悲しみに沈んでいるという意味)
若者「おじさん、すぱだりだよね〜」
老人「うん。スパゲティ好きだよ」
(すぱだりは、スーパーダーリンの意味)
この他にも色々あるのでしょうけれど、昔はこういった言葉は、一定のコミュニティの中だけの隠語(いんご)という扱いだったものが、最近では、若者の間には一般用語として定着しています。
SNSやネットをやらない老人は、もうまったく言葉がわからないし、通じない。
世代間の断絶ということ言われるようになって久しいけれど、最近では、お年寄りと若者の間での共通の情報になるものさえも、疑わしくなっているようです。
早い話、最近の若者は新聞を読まないし、テレビも観ない。
テレビについていえば、一人暮らしの若者で、テレビを持っていない子の方が、いまや多いといわれています。
そして次々と新しい造語がネットのなかで生まれ、それが拡散され、若者の間では一般用語になる。
新聞やテレビしか情報源のないお年寄りは、時代から完全に隔離されてしまい、若者たちと共通の言葉での会話さえも怪しくなってきているというのが、昨今の日本の情況です。
おもしろいことに、アメリカの場合、キリスト教の教会が、世代間の取り持ちをしているところがあって、こうした言葉による世代格差というものは、ほとんどありません。
日本の場合は、宗教のしばりがない分、いったん言語格差がはじまると、世代間で、言葉が通じないといった問題に直結するわけです。
幕末までは、外国語を用いる場合でも、わざわざそれを日本人にわかりやすいように、日本語に翻訳して用いていたものが、明治の中頃から、欧米崇拝が広がり、さらに戦後には、古いものは価値を持たないといった、おかしな考え方が蔓延した結果、徐々に世代間の言語格差が生じ、いまやそれがピークに近づいてきているといった見方もあるようです。
とりわけ日本語教育をおろそかにし、その日本語教育さえも、文中の「それ」は何を指すかとか、テニヲハの使い方がどうのこうのとか、テストで採点しやすいことばかりが、国語教育の中心となった結果、相手を敬い尊重するという日本語の持つ独特な言語空間が、いまや崩壊しようとしているわけです。
国際化社会の中で、英語教育の重要性はわかりますが、だからといって日本語教育をおろそかにしても良いという理屈は成り立ちません。
なぜなら、わたしたち日本人は、日本語で考え、日本語で行動し、日本語でコミュニケーションを取るからです。
逆にいえば、国語を失うということは、思考力、行動力、コミュニケーション力を損ねることになるといえるわけです。
責任ある社会人とって大切なことは、自分の頭で考え、行動し、同じ共同体の一員としてコミュニケーションをとることができることです。
国家が行う教育はそのためにあります。
それができない日本人が増えています。
これは戦後の文科省の大罪です。
※この記事は2021年3月のねずブロ記事の再掲です。
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