人生を決めるのは、大きな決断だけではありません。むしろ人は、日々の小さな選択の積み重ねによって、自分自身の生き方を形づくっています。靴をそろえる、姿勢を正す、不機嫌を人にぶつけない、見えないところでも誠実。そうした「整える」という感覚は、かつての日本人が大切にしてきた生き方でもありました。
今日のひとことでは、「生き方は、選択の積み重ねでできている」というテーマについて考えてみます。

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人生というと、つい「大きな決断」が人生を決めるように思いがちです。
どこの学校に行って、どんな会社に入って、誰と結婚するかとか。もちろん、それらはとても大きなことですし、大切なことです。
けれど、ちょっと立ち止まって考えてみたら、実際には、人の生をつくっているのは、もっと小さな日々の選択です。
朝、きちんと起きているか。
脱いだ靴をそろえているか。
誰かに優しい言葉をかけているか。
不機嫌を人にぶつけていないか(自分の機嫌を、自分で整えようとしているか)。
苦しいときに誠実でいられるか。
いまの時代、「感情はそのまま表現してよい」が強くなりすぎて、「自分の機嫌を整える」という文化が弱くなっているように思います。
でも、昔の日本人は、感情を押し殺していたというより、「場を壊さないように整える感覚」を大事にしていたのです。
そして、「場を壊さない」という小さな選択の積み重ねが、やがて「その人らしさ」になっていったのです。
人は突然、立派になるわけでも、
突然、崩れるわけでもありません。
実際には、ほんの小さな「ま、いっか」の積み重なりが、生き方の乱れとなっていきます。
反対に、小さな「ちゃんとしよう」が積み重なると、人は少しずつ整います。
武士道というと、命を懸けた覚悟や、特別な精神論のように思われがちです。
けれど、本来の武士道は、もっと日常的なものです。
朝早く起きる。
木刀で素振りを行う。
井戸で水浴びをする。
履物をそろえる。
姿勢を正す。
人への礼を忘れない。
見ていないところでも誠実である。
そうした日々の積み重ねが、いざというときの「その人」をつくります。
ひと昔前までの日本の武家では、親が子に、人は「何を選ぶか」で未来が変わるだけでなく、「どんな選択を重ねてきたか」で、顔つきや空気感まで変わると教えていました。
今日をどう生きるか。いま、この瞬間に、どんな選択をするか。それが、そのままオマエの未来をつくるのじゃ、教えていました。
人生は、一発逆転の物語ではありません。
日々の小さな選択の積み重ね。
その先に、日本人としての生き方があるのではないでしょうか。
今日も良い一日を♪
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